ITパスポートと基本情報技術者試験の違い!ITパスポートとってからの方がいい?重複分野や難易度・範囲は?

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ITパスポートを受験予定の人の中にはITパスポートと基本情報技術者試験試験の違いがよくわかっていない人もいるでしょう。

後ほど詳しく解説しますが、ITパスポートと基本情報技術者試験試験は完全に別物の試験です。

本記事ではITパスポートを日本トップクラスに熟知している私ケンジが、ITパスポートと基本情報技術者試験の違いについて徹底解説します。

ITパスポートをとってから基本情報技術者試験を受験した方がいいのか?やITパスポートと基本情報技術者試験の重複分野などについても解説していくので、ぜひ最後までお読みください。

ちなみにですが、ITパスポートにはたった10時間の勉強で合格できる方法があります。

これさえあれば限りなく少ない努力で合格に大きく近づきます。

これは私が何年もITパスポートの勉強を続ける中で生み出した、どの本にも載っていない超コスパの良い究極の勉強法です。

興味ある人はぜひ以下のボタンからその方法をチェックしてください。

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ITパスポートと基本情報技術者試験の違いを4つの観点から比較

ITパスポート試験と基本情報技術者試験はどちらも情報処理推進機構(IPA)が主催する日本の情報処理技術者試験ですが、ITパスポート試験と基本情報技術者試験を比較すると、主に以下4つの違いがあります。

※ITパスポートの正式名称は「ITパスポート試験」です。詳しくは「ITパスポートの正式名称はITパスポート試験!履歴書には正式名称を書くべき?」をご覧ください。

  1. 試験の目的と対象
  2. 試験内容
  3. 難易度
  4. 合格後のメリット

それぞれの詳細は以下です。

1:試験の目的と対象

ITパスポートはIT企業に勤務する専門的なエンジニアだけでなく、広く社会人全般・学生全般に向けた国家試験です。

ITパスポートの高校生合格率は?メリットは?独学可能?勉強方法もご紹介」をご覧いただくとわかりますが、ITパスポートは高校生の間でも多く受験されている試験です。

経済産業省がITパスポートを実施する目的は、ITパスポートの学習を通じて、すべての受験者に現代社会で活躍するために必要なITの知識を身に付けてもらうことです。

一方、基本情報技術者試験はこれからITエンジニアとしてキャリアをスタートする社会人のIT基礎力を問う試験であり、ITエンジニアの登竜門となる国家試験であるといえます。

※「ITパスポートの次の資格・ステップは?次に取る資格は基本情報技術者がおすすめ」もぜひ合わせてご覧ください。

なので、後ほど詳しく解説しますが、問題の難易度もITパスポートよりは難しくなります。

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2:試験内容

ITパスポートでは3つの分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)から問題が出題されます。

各分野の詳細は以下の通りです。

分野内容
ストラテジ系経営者の仕事に関する内容。企業活動や法務、経営戦略、システム戦略などに関する問題が出題される。
マネジメント系管理職の仕事に関する内容。開発技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどに関する問題が出題される。
テクノロジ系コンピュータの仕組みに関する内容。コンピュータの基礎理論やコンピュータシステム、データベースやセキュリティなどに関する問題が出題される。

試験時間は120分で、問題数は全部で100問です。

問題はすべて四肢択一式(4つの選択肢の中から1つの解答を選ぶ形式)です。

※詳しくは「ITパスポートの試験時間・問題数は120分で100問!長い?途中退出可能?」をご覧ください。

それに対して、基本情報技術者試験は科目Aと科目Bの2つの試験で構成されています。

科目Aと科目Bを同日に受験し、両方の試験の合格基準を満たすことで、はじめて基本情報技術者試験に合格したことになります。

※ITパスポートと基本情報技術者試験の合格基準は後ほどご紹介します。

いずれか一方だけが合格基準を満たしても、基本情報技術者試験は不合格になります。

また、科目Aと科目Bを別日に受験することはできません。

科目Aと科目Bの試験概要は以下の通りです。

試験時間問題数出題形式
科目A90分60問四肢択一式
科目B100分20問多肢択一式

科目Bの多肢択一式はおよそ3〜10個の選択肢の中から1つの解答を選ぶ形式のことです。

科目Aの各問題(60問)はITパスポートとほとんど同じく以下の3分野から出題されます。

分野内容
テクノロジ系コンピュータの仕組みに関する内容。
・基礎理論
・コンピュータシステム
・技術要素(データベースやセキュリティなど)
・開発技術
から問題が出題される。
マネジメント系管理職の仕事に関する内容。
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
から問題が出題される。
ストラテジ系経営者の仕事に関する内容。
・システム戦略
・経営戦略
・企業と法務
から問題が出題される。

科目Bは全体で20問出題され、以下のようにアルゴリズムとプログラミングに関する問題が全体の8割にあたる約16問出題され、情報セキュリティに関する問題は約4問出題されます。

分野によって出題数の割合が大きく異なるのでご注意ください。

分野内容
アルゴリズムとプログラミング(約16問)アルゴリズムとプログラミングに関する内容。
・プログラミングに関すること
・プログラムの処理の基本要素に関すること
・データ構造およびアルゴリズムに関すること
・プログラミングの諸分野への適用に関すること
から問題が出題される。
情報セキュリティ(約4問)情報セキュリティに関する内容。
・情報セキュリティの確保に関すること
から問題が出題される。

3:難易度

基本情報技術者試験はITパスポートの上位資格なので、基本情報技術者試験はITパスポートよりも難易度は上がります。

※詳しくは「ITパスポートは国家資格・上位資格?検定との違いは?わかりやすく解説」をご覧ください。

平均合格率はITパスポートが約50%、基本情報技術者試験が約47%とそこまで大差はありませんが、問題の難易度は基本情報技術者試験の方が難しく、ITパスポートよりも深い知識が求められます。

※「ITパスポートの合格率は50%前後を推移!合格率は高い?低い?」もぜひ参考にしてください。

合格に必要な勉強時間もITパスポートが150時間程度と言われているのに対して、基本情報技術者試験は200時間程度と言われています。

※「ITパスポートの勉強時間・勉強期間・学習時間は?最短は10時間!大学生や初心者は?」もぜひ合わせてご覧ください。

基本情報技術者試験を受験予定の人はなるべく早い段階から勉強・対策を始めることをおすすめします。

4:合格後のメリット

ITパスポートと基本情報技術者試験は合格すれば履歴書や職務経歴書に書くことができる立派な資格です。

※詳しくは「ITパスポートは履歴書に書ける!書かないのはもったいない!書き方を画像で解説」をご覧ください。

上記でも解説した通り、ITパスポートに合格するとITの基礎知識があることを証明できるようになるため、ITパスポートは非エンジニアのビジネスパーソンやIT業界未経験者にも役立ちます。

※「ITパスポートは何に役立つ?役に立たない・無意味って本当?徹底解説!」もぜひ合わせてご覧ください。

一方で、基本情報技術者試験に合格するとITの基礎知識があることはもちろんのこと、ITエンジニアとしての基礎スキルがあることも証明できます。

就職や転職時にIT専門職としての評価が高まることは間違いないでしょう。

※「ITパスポートは就職活動・転職で有利?就職先企業での評価は?大学生は取得すべき?完全解説!」もぜひ合わせてご覧ください。

なので、ITに関する基礎知識を広く学びたい人やエンジニア以外の職種を目指す人はITパスポートを、ITエンジニアとしてのキャリアを目指す人や、より深い技術知識を身につけたい人は基本情報技術者試験を受験するようにすると良いでしょう。

※「ITパスポートのメリット10個とデメリットを完全解説!バウチャー支払いのメリットも解説」もぜひ合わせてご覧ください。

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ITパスポートをとってから基本情報技術者試験を受験する方がいい?

「基本情報技術者試験の合格を目指していますが、ITパスポートをとってからの方がいいですか?」という質問をする人は多いです。

結論から言うと、基本情報技術者試験の合格を目指しているのであればITパスポートは経由せず、最初から基本情報技術者試験の勉強・対策をした方が良いです。

上記の質問は「将来的にサッカーが上手くなりたいと思うのですが、まずはフットサルをやった方がいいですか?」という質問に似ています。

サッカーとフットサルは確かに似ていますが、完全に別の競技です。ITパスポートと基本情報技術者試験も確かに似ていますが、完全に別の資格です。

サッカーが上手くなりたいのであれば最初からサッカーの練習をすべきなのは自明でしょう。

それと同じで、基本情報技術者試験に合格したいのであれば最初から基本情報技術者試験の勉強・対策をするのが最も近道です。

ちなみにですが、基本情報技術者試験に合格した場合、ITパスポートに合格するのはとても簡単です。

なので、ITパスポート・基本情報技術者試験どちらも合格したい場合は、まず基本情報技術者試験の合格を目指すのが効率的です。

ITパスポートと基本情報技術者試験の重複分野は?例題もご紹介

上記でも解説した通り、ITパスポートでは3つの分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)から問題が出題されます。

※各分野の詳細は「ITパスポートの分野は3つある!分野別評価点・割合は?難しいのはどれ?」をご覧ください。

基本情報技術者試験の科目Aも3つの分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)から問題が出題されます。

以上の3分野に関してはITパスポートの方が試験範囲が広いです。問題の難易度はITパスポートも基本情報技術者試験もそこまで変わりません。

※ITパスポートの試験範囲の詳細は「ITパスポートの試験範囲は広い!変更・拡大されることもあるので要注意」をご覧ください。

重複分野は

  • ストラテジ系=システム戦略・経営戦略・企業と法務
  • マネジメント系=プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント
  • テクノロジ系=基礎理論・コンピュータシステム・技術要素(データベースやセキュリティなど)・開発技術

となります。

それぞれの例題(過去問)は以下の通りです。

※「ITパスポート過去問題100問!解説付きサイトは?過去問は出ない?何年分やるべき?」もぜひ合わせてご覧ください。

【ストラテジ系(システム戦略)の例題(ITパスポート 平成21年度過去問)】

企業の情報戦略を策定する場合、最も考慮すべき事項はどれか。

  1. IT技術の進化
  2. 経営戦略との整合性
  3. 現行システムとの整合性
  4. ライバル企業の情報戦略

【解答&解説】

正解は2・・・(答)です。

情報戦略とは「情報システム戦略」のことです。情報システム戦略を立案する際に考えるべきことは

  • あるべき姿を明確にすること
  • 全体の最適化
  • 経営戦略に基づいていること

の3つです。

※ストラテジ系の詳細は「ITパスポートのストラテジ系とは?苦手な人向け勉強法や問題例・過去問・用語は?」をご覧ください。

【ストラテジ系(経営戦略)の例題(ITパスポート 平成22年度過去問)】

TOBの説明として、適切なものはどれか。

  1. 買付け価格と期間を公表し、不特定多数の株主から株式を買い集めること
  2. 株式の所有を通じて、他企業を支配またはコントロールすること
  3. 企業が自ら発行した株式を市場の時価で買い入れること
  4. 企業の経営陣が自社株の買取りを実施し、企業の所有権を取得すること

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。株の買い付けを「公表」して行うことからTOBの説明だとわかります。

2はM&A、3は自社株式取得、4はMBOの説明です。

※「ITパスポートの問題・例題を分野別に紹介!どんな試験問題か即わかる!」もぜひ合わせてご覧ください。

【ストラテジ系(企業と法務)の例題(基本情報技術者試験 令和6年度過去問)】

日本において、産業財産権と総称される四つの権利はどれか。

  1. 意匠権、実用新案権、商標権、特許権
  2. 意匠権、実用新案権、著作権、特許権
  3. 意匠権、商標権、著作権、特許権
  4. 実用新案権、商標権、著作権、特許権

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。

著作権は創作物に対する権利であり、産業財産権に含まれません。

【マネジメント系(プロジェクトマネジメント)の例題(ITパスポート 平成25年度過去問)】

プロジェクト・スコープ・マネジメントで実施する作業として、適切なものはどれか。

  1. プロジェクトチームを編成し、要員を育成する。
  2. プロジェクトに必要な作業を、過不足なく抽出する。
  3. プロジェクトのステークホルダを把握し、連絡方法を決定する。
  4. プロジェクトのリスクを識別し、対策案を検討する。

【解答&解説】

正解は2・・・(答)です。

プロジェクトスコープマネジメントではWBSなどを使って、プロジェクトの目標を達成するのに必要となる作業を洗い出します。

1はプロジェクト資源マネジメントで実施する作業です。

3はプロジェクトステークホルダマネジメントで実施する作業です。

4はプロジェクトリスクマネジメントで実施する作業です。

【マネジメント系(サービスマネジメント)の例題(基本情報技術者試験 平成29年度過去問)】

サービスマネジメントシステムにおけるサービスの可用性はどれか。

  1. あらかじめ合意された時点又は期間にわたって、要求された機能を実行するサービス又はサービスコンポーネントの能力
  2. 計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度
  3. 合意したレベルでサービスを継続的に提供するために、サービスに深刻な影響を及ぼす可能性のあるリスク及び事象を管理する能力
  4. サービスの要求事項を満たし、サービスの設計、移行、提供及び改善のために、サービス提供者の活動及び資源を、指揮し、管理する、一連の能力及びプロセス

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。可用性とは「サービスを使いたいときに使えること」です。

2は有効性、3はサービス継続、4はサービスマネジメントの説明です。

【テクノロジ系(基礎理論)の例題(基本情報技術者試験 平成30年度過去問)】

AIにおける機械学習の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 記憶したデータから特定のパターンを見つけ出すなどの、人が自然に行っている学習能力をコンピュータにもたせるための技術
  2. コンピュータ、機械などを使って、生命現象や進化のプロセスを再現するための技術
  3. 特定の分野の専門知識をコンピュータに入力し、入力された知識を用いてコンピュータが推論する技術
  4. 人が双方向学習を行うために、Webシステムなどの情報技術を用いて、教材や学習管理能力をコンピュータにもたせるための技術

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。「人が自然に行っている学習能力」という文章から、選択肢1が機械学習の説明であると判断できます。

2は人工生命、3はエキスパートシステム、4はLMS(Learning Management System)の説明です。

※テクノロジ系の詳細は「ITパスポートのテクノロジ系とは?攻略法・苦手な人向け勉強方法は?難しい?問題例や用語もご紹介」をご覧ください。

【テクノロジ系(コンピュータシステム)の例題(基本情報技術者試験 平成21年度過去問)】

メモリインタリーブの説明として、適切なものはどれか。

  1. CPUから主記憶へのアクセスを高速化するために、キャッシュメモリと主記憶との両方に同時にデータを書き込む。
  2. CPUから主記憶へのアクセスを高速化するために、主記憶内部を複数のバンクに分割し、各バンクを並列にアクセスする。
  3. CPUから主記憶のアクセス速度の違いによるボトルネックを解消するために、高速かつ小容量のメモリを配置する。
  4. パイプライン処理を乱す要因をなくすために、キャッシュメモリを命令用とデータ用の二つに分離する。

【解答&解説】

正解は2・・・(答)です。

「各バンクを並列にアクセスする」と言うキーワードからメモリインタリーブだと判断できます。

1はライトスルー方式、3はキャッシュメモリ、4はハーバードアーキテクチャの説明です。

【テクノロジ系(技術要素)の例題(基本情報技術者試験 平成25年度過去問)】

列A1〜A5から成るR表に対する次のSQL文は、関係代数のどの演算に対応するか。

SELECT A1, A2, A3 FROM R
WHERE A4=’a’

  1. 結合と射影
  2. 差と選択
  3. 選択と射影
  4. 和と射影

【解答&解説】

正解は3・・・(答)です。

SELECT句は射影、WHERE句は選択です。

【テクノロジ系(開発技術)の例題(ITパスポート 令和元年度過去問)】

システム開発後にプログラムの修正や変更を行うことを何というか。

  1. システム化の企画
  2. システム運用
  3. ソフトウェア保守
  4. 要件定義

【解答&解説】

正解は3・・・(答)です。ソフトウェア保守とは、稼働中に見つかったバグを修正したり、ソフトウェアに新機能を追加したりするプロセスです。

システム化の企画は、経営者のニーズと課題を確認するプロセスです。

システム運用は、完成したシステムを本番環境で動かすプロセスです。

要件定義は、ユーザーのニーズを知るプロセスです。

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ITパスポートと基本情報技術者試験の合格基準の違い

ITパスポートでは3分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)を1,000点満点に換算し、試験全体も1,000点満点に換算します。

なので、ITパスポートの試験結果は以下のようになります(あくまでも一例です)

  • 総合評価点=650/1,000点
  • ストラテジ系=550/1,000点
  • マネジメント系=400/1,000点
  • テクノロジ系=600/1,000点

ITパスポートの合格基準は以下2つの条件を両方とも満たすことです。

  • 試験全体を1,000点満点に換算したとき、600点以上の得点
  • 各分野ごとに1,000点満点に換算したとき、300点以上の得点

どちらか一方を満たしただけでは不合格となりますのでご注意ください。

※ITパスポートは何度でも受験可能なので、不合格だったとしても再受験が可能です。詳しくは「ITパスポート再受験はいつから?同じ問題出る?落ちた・不合格でも再受験可能!費用は?」をご覧ください。

つまり、ITパスポート試験全体(総合評価点)では600点以上を取れていたとしても、いずれかの分野が300点未満だと不合格になります。

※詳しくは「ITパスポートは600点ちょうどで受かるが条件あり!600点以下でも合格する?ギリギリは?」をご覧ください。

逆に、3分野とも300点以上取れているにも関わらず、総合評価点が600点未満だった場合も同様に不合格となります。

それに対して、基本情報技術者試験の合格基準は

  • 科目A:1000点満点中、600点以上
  • 科目B:1000点満点中、600点以上

です。上記でも解説した通り、基本情報技術者試験は両方の科目の合格基準を満たしてはじめて合格になります。

いずれか一方だけが合格基準を満たしても、基本情報技術者試験は不合格になるのでご注意ください。

ITパスポートと基本情報技術者試験はともにCBT方式で行われる

CBTはComputer Based Testingの略で、CBTとはコンピュータ(パソコン)を使った試験のことです。

つまり、ITパスポートも基本情報技術者試験もパソコンを使って試験が行われるというわけです。

ちなみにですが、ITパスポートや基本情報技術者試験以外にCBT方式を採用している試験としては

  • マーケティング検定
  • 秘書検定
  • 世界遺産検定
  • マイクロソフト オフィス スペシャリスト (MOS)

などがあげられます。

ITパスポート・基本情報技術者試験は専用の試験会場で試験が実施され、そこに設置されているパソコンから受験します。

試験会場は収容人数に限りがあるので、事前予約(申し込み)は必須です。

ITパスポートの申し込みの流れは「ITパスポートのCBTとは?申し込み方法は?疑似体験できる?難しい?会場は?」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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ITパスポートと基本情報技術者試験の受験料はともに税込7,500円

ITパスポートと基本情報技術者試験の受験料はともに税込7,500円です。割引は一切ありません。

一度支払った受験料はいかなる理由があろうとも返金されませんのでご注意ください。

申し込み後(=受験料の支払い後)に受験をキャンセルしたい場合、特に必要な手続きはありません。無断欠席で問題ありません。

試験当日に試験会場に行かなかった・無断欠席したからといって罰則などが科されることはありませんので、その点もご安心ください。

※「ITパスポートは遅刻しても受験可能!無断欠席もOK!何分まで遅れていい?」もぜひ合わせてご覧ください。

基本情報技術者試験には科目A免除制度がある

基本情報技術者試験には科目A免除制度がありますが、ITパスポートには免除制度はありません。

科目A免除制度とは基本情報技術者試験を主催するIPA(独立行政法人情報処理推進機構)認定の講座を受講し、修了試験に合格することで科目Aの試験が免除される制度です。

対象の認定講座は専門学校・大学・通信講座などで、1回あたりの費用は20,000円〜30,000円程度、年4回開催されています。

修了試験の多くは基本情報技術者試験の過去問から出題されるため、科目A免除制度の活用を考えている人は基本情報技術者試験の過去問対策をしっかりと行いましょう。

ITパスポート・基本情報技術者試験に合格するための勉強法

ITパスポート・基本情報技術者試験ではともに過去問の類似問題が数多く出題されます。

例えば、以下は平成21年度と平成25年度のITパスポートの過去問ですが、内容がかなり似ていることがわかります。

【過去問(平成21年度)】

SWOT分析で把握できるものはどれか。

  1. 経営環境
  2. 事業戦略
  3. 事業目標
  4. 事業領域

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。

SWOT分析とは強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の要素から市場を分析する手法です。

内部環境要因である自社の強み・弱みと、外部環境要因でる機会・脅威の要因を組み合わせることで、市場での機会や事業課題の発見に役立てます。

【過去問(平成25年度)】

SWOT分析の説明として、適切なものはどれか。

  1. 企業を取り巻く外的環境に潜む機会及び脅威、企業がもつ強み及び弱みを分析することによって、企業活動の今後の方向性を導き出すための手法である。
  2. 財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点から企業の業績をバランスよく評価・分析するための手法である。
  3. 自社の活動が顧客にとって最終的にどのような価値を生み出し、それは顧客を満足させられるかという観点から企業活動をデザインする手法である。
  4. 市場の成長率とマーケットシェアの二つの定量的項目で作られたマトリックスに事業をプロットし、経営資源の配分の最適化を行う手法である。

【解答&解説】

正解は1・・・(答)です。

2はBSC(Balanced Score Card)、3はバリューエンジニアリング、4は事業ポートフォリオマネジメントの説明です。

なので、自分が過去問で間違えた問題をどんどん暗記していくことはITパスポート・基本情報技術者試験ともにかなり効率の良い勉強となります。

ITパスポート・基本情報技術者試験の参考書を1周し、用語をある程度暗記したら過去問演習を積極的に行うことをおすすめします。

また、ITパスポートと基本情報技術者試験ではともに頻出分野が存在します。

筆者がITパスポートの過去問・計10,000問と基本情報技術者試験の過去問・計600問の出題割合を調査したところ、以下のような結果となりました。

<ITパスポート>

分野出題内容出題数[問]割合[%]
ストラテジ系企業活動79822.8
マーケティング38010.9
法務・法律81723.3
企業会計42512.1
システム企画1584.5
システム戦略2507.1
経営戦略マネジメント59617.0
技術戦略マネジメント762.2
3,500100
マネジメント系システム開発技術46723.4
ソフトウェア開発管理技術1296.5
プロジェクトマネジメント71235.6
サービスマネジメント47323.7
システム監査21911.0
2,000100
テクノロジ系ハードウェア481.1
ソフトウェア390.9
ネットワーク1,04223.1
コンピュータとデジタル情報1242.8
アルゴリズムとプログラミング1052.3
情報デザイン350.8
情報メディア411.0
データベース72316.1
セキュリティ2,20349.0
データサイエンス1403.1
4,500100

<基本情報技術者試験>

分野出題内容出題数[問]割合[%]
テクノロジ系基礎理論338.9
アルゴリズムとプログラミング379.9
コンピュータ構成要素277.3
システム構成要素256.7
ソフトウェア297.8
ハードウェア246.5
ユーザーインタフェース61.6
情報メディア71.9
データベース379.9
ネットワーク379.9
セキュリティ7419.9
システム開発技術297.8
ソフトウェア開発管理71.9
372100
マネジメント系プロジェクトマネジメント3041.7
サービスマネジメント2230.6
システム監査2027.8
72100
ストラテジ系システム戦略2616.7
システム企画117.1
経営戦略マネジメント2918.6
112技術戦略マネジメント53.2
ビジネスインダストリ2314.7
企業活動4126.3
法務2113.5
156100

以上の表を見ると、近年はITパスポート・基本情報技術者試験ともにセキュリティに関する問題が頻出であることがわかります。

なので、ITパスポートまたは基本情報技術者試験を受験予定の人はセキュリティ分野を重点的に対策しましょう。

逆に、出題頻度が低い情報デザインやユーザーインタフェースなどの対策に時間を使うのはもったいないのでご注意ください。

セキュリティでは以下のような問題が出題されます。

【例題(基本情報技術者試験 平成25年度過去問)】

Xさんは、Yさんにインターネットを使って電子メールを送ろうとしている。電子メールの内容を秘密にする必要があるので、公開鍵暗号方式を使って暗号化して送信したい。電子メールの内容を暗号化するのに使用する鍵はどれか。

  1. Xさんの公開鍵
  2. Xさんの秘密鍵
  3. Yさんの公開鍵
  4. Yさんの秘密鍵

【解答&解説】

正解は3・・・(答)です。公開鍵暗号方式とは、公開鍵と秘密鍵の2つの鍵を使う暗号化方式です。

公開鍵暗号方式では、受信者の公開鍵を使って平文を暗号化します。

近年、セキュリティに関する問題が頻出している理由としては、以下の4つがあげられます。

  • デジタル社会の進展とセキュリティの重要性の増大
  • サイバー攻撃の増加
  • 情報セキュリティ法規制の強化
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

それぞれの詳細は「ITパスポートは570点で合格できる?絶対にできません!」で解説しているので、気になる人はぜひご覧ください。

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今回はITパスポートと基本情報技術者試験の違いについて解説しました。

基本情報技術者試験はITパスポートよりも難易度が高いので、余裕を持って勉強・対策を行いましょう。