
ITパスポートの取得を検討している人はITパスポートに合格すると就職活動・転職活動が有利になるか気になっているのではないでしょうか?
本記事ではITパスポートに日本一詳しい私ケンジが、ITパスポートは就職活動・転職に有利なのか?や就職先企業でどう評価されるのか?大学生は取得すべきなのか?などについて徹底解説していきます。
ITパスポートを受験するか悩んでいる大学生や社会人はぜひ参考にしてください。
ちなみにですが、ITパスポートにはたった10時間の勉強で合格できる方法があります。
これさえあれば限りなく少ない努力で合格に大きく近づきます。
これは私が何年もITパスポートの勉強を続ける中で生み出した、どの本にも載っていない超コスパの良い究極の勉強法です。
興味ある人はぜひ以下のボタンからその方法をチェックしてください。
ITパスポートは就職活動で有利?就職先企業での評価は?
結論から言うと、ITパスポートが就職活動で有利に働くケースは少ないです。
ITパスポートの平成23年〜令和5年の合格率は以下の通りで、おおよそ50%前後を推移しています。
※「ITパスポートの合格率は50%前後を推移!合格率は高い?低い?」もぜひ参考にしてください。
年度 | 合格率[%] |
---|---|
平成23年 | 40.7 |
平成24年 | 41.0 |
平成25年 | 47.6 |
平成26年 | 47.9 |
平成27年 | 47.4 |
平成28年 | 48.3 |
平成29年 | 50.4 |
平成30年 | 51.7 |
令和元年 | 54.3 |
令和2年 | 58.8 |
令和3年 | 52.7 |
令和4年 | 51.6 |
令和5年 | 50.3 |
ITパスポートは受験者の約半分程度が合格する試験なので、難易度はそこまで高くありません。
※ITパスポートの難易度の詳細は「ITパスポートの難易度は?上がった?勉強時間は?難しい?文系初心者でも大丈夫?」をご覧ください。
合格に必要な勉強時間も100〜150時間程度と言われており、1日3時間の勉強時間を確保した場合、100÷3≒33[日]≒1ヶ月での合格が可能です。
ITパスポートは国が認定している立派な国家資格の一つですが、合格の難易度がそれほど高くないため、保有していても就職活動で大きな強みになるケースは少ないです。
※「ITパスポートは国家資格・上位資格?検定との違いは?わかりやすく解説」もぜひ参考にしてください。
強みになるケースがあるとすれば、IT業界を志望している場合です。
就職活動で用意されているES(エントリーシート)や面接では「なぜIT業界を志望しているのか?」と問われることもあります。
ITパスポートを保有していれば、ITへの興味や熱意があることをアピールできます。
ITパスポートを保有していること自体は企業からあまり評価されませんが、自ら積極的にITに関する知識を吸収する姿勢は選考で十分に活かすことが可能です。
ES(エントリーシート)や面接で使えるITパスポートで熱意を示す回答例は以下の通りです。
Q:IT業界を志望している理由を教えてください。
A:IT業界を志望する理由は、大学時代に経験したアルバイトがきっかけです。飲食店でのアルバイト中、業務用システムが頻繁にエラーを起こし、そのたびに店舗運営が大きく影響を受ける状況を目の当たりにしました。
そこで、私はITに詳しい友人と共にエラーの原因を分析し、簡易的な改善策を提案しました。その結果、エラーが大幅に減少し、店舗全体の効率が上がったことに達成感を覚えました。
この経験を通じて、IT技術が業務効率を大きく向上させる力を持っていることを実感しました。同時に、IT技術を使って現場の課題を解決することにやりがいを感じました。
この体験をきっかけに、IT技術を活用して社会や企業の課題を解決し、価値を提供できる仕事に携わりたいと強く思うようになり、IT業界を志望するに至りました。
その際にまずはITの基礎的な知識を身に付けたいと考えて、ITパスポートの資格を取得しました。
今後も引き続き、自ら積極的にITの勉強を続けていきたいと考えています。
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大学生はITパスポートを取得すべき?
上記でも解説した通り、ITパスポートの保有が就職活動で有利に働くケースは少ないです。
なので、「大学生はITパスポートを取得すべきか?」という質問に対しては「無理に取得する必要はない」という回答になります。
ITパスポートの勉強をするとITに関する基礎知識が身に付くと思っている大学生が多いですが、ITパスポートではビジネスに関する基礎知識も身に付けることができます。
ITパスポートでは3つの分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)から問題が出題されますが、出題される問題はITに関するものだけでなく、以下のようなビジネスに関する問題も含まれます。
※各分野の詳細は「ITパスポートの分野は3つある!分野別評価点・割合は?難しいのはどれ?」をご覧ください。
【例題(平成30年度過去問)】
コーポレートガバナンスに基づく統制を評価する対象として、最も適切なものはどれか。
- 執行役員の業務成績
- 全社員の勤務時間
- 当該企業の法人株主である企業における財務の健全性
- 取締役会の実効性
【解答&解説】
正解は4・・・(答)です。
コーポレートガバナンスは企業の健全経営を監視し、維持する仕組みのことなので、経営を担う取締役会の実効性は重要な評価の対象となります。
※その他の過去問も解きたい人は「ITパスポート過去問題100問!解説付きサイトは?過去問は出ない?何年分やるべき?」をご覧ください。
なので、時間に余裕があり、ITだけでなくビジネスにも興味がある大学生はITパスポートの取得を目指しても良いでしょう。
ITパスポートは転職で有利?
就職活動と同様に、ITパスポートが転職で有利に働くケースは少ないです。
転職(第2新卒を除く)では資格よりも今までの仕事を経て獲得した経験やスキルが重要視される傾向にあります。
なので、転職活動をしている社会人はITパスポートを取得するために時間を使うのではなく、履歴書や職務経歴書の推敲や面接対策に時間を使うことをおすすめします。
ちなみにですが、ITパスポートの受験者は学生よりも社会人の方が多いです。
以下の表は令和3年1月度におけるITパスポートの受験者数や合格率のデータですが、すべての項目において社会人が学生よりも多いことがわかります。
応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
社会人 | 8,264人 | 7,197人 | 4,587人 | 63.7% |
学生 | 4,593人 | 4,069人 | 1,808人 | 44.4% |
合計 | 12,857人 | 11,266人 | 6,395人 | 56.8% |
以上のデータを見ると、「社会人受験者の多くは転職のために受験しているのでは?」と思う人もいるでしょうが、そんなことはありません。
現在はITの基礎知識を社員に習得させるため、ITパスポートを社員教育の手段として活用している企業がたくさんあります。昇格や昇級の条件としてITパスポートの合格を必須にしている企業もあります。
また、新入社員や内定者への研修・導入教育としてITパスポートを活用している企業もたくさんあります。
例えば、株式会社ファンケルは「変化の早い社会に今後対応していくためには全社員が基礎的なITリテラシーを身に付ける必要がある」と考え、2020年度から全社員にITパスポートの受験を推奨し、2021年時点では220名もの社員が受験を志願しています。
ITパスポートを受験している社会人の多くは転職活動を有利にするためというよりかは、研修などで強制的に受験させられたり、昇格や昇級のために受験している人が多いでしょう。
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ITパスポートを取得するメリット・デメリットは?
以上でITパスポートの保有が就職活動や転職で有利になることは少ないことがお分かりいただけたかと思います。
では、ITパスポートを取得するメリットはあるのでしょうか?また、デメリットはあるのでしょうか?
結論、ITパスポートを取得するメリットとしては以下の9個があります。
- ITの基礎知識がある証明になる
- ITの知識だけでなく、ビジネスの知識も身に付く
- 日常生活に役立つ知識も身に付く
- 一度取得してしまえば一生使える
- 上位資格取得の足掛かりになる
- 学費免除の優遇を受けられる場合がある
- 補助金や手当がもらえる場合がある
- 大学で単位認定される場合がある
- 合格率が高いので、何か資格を取りたい人におすすめ
それぞれの詳細は「ITパスポートのメリット10個とデメリットを完全解説!バウチャー支払いのメリットも解説」で解説しているので、気になる人はぜひご覧ください。
一方で、ITパスポートを取得するデメリットは特にありません。
ITパスポートは役に立たない・無意味とも言われていますが、そう言われる理由は主に以下の2つです。
- 独占業務がないから
- 難易度が高くないから
※「ITパスポートは何に役立つ?役に立たない・無意味って本当?徹底解説!」もぜひ合わせてご覧ください。
独占業務とは、特定の資格を持っている人だけが法的に行うことを認められている業務のことです。
その資格を持っていない人がその業務を行うと法律違反となります。
例としては公認会計士や弁護士などがあげられます。
ITパスポートは取得したとしても独占業務ができる訳ではないので、「わざわざ取得する意味がない」と考える人も多いです。
また、ITパスポートの難易度は公認会計士や弁護士に比べると合格の難易度はかなり易しいです。
※「ITパスポートは簡単すぎる?簡単じゃない?簡単合格する極秘裏ワザとは?」もぜひ合わせてご覧ください。
資格の希少性がそこまで高くはないため、役に立たない・意味がないと感じる人が多いのかもしれません。
しかし、繰り返しにはなりますが、ITパスポートを取得するデメリットは特にありません。
上記でも解説した通り、ITパスポートの勉強をするとITの基礎知識だけでなくビジネスの基礎知識も身に付くので、ITパスポートが多くの人のキャリアアップにも繋がりやすい資格であることに間違いはありません。
取得するメリットがない=デメリットではありません。
ITパスポートに限らずですが、取得するデメリットがある資格なんて1つも存在しないでしょう。
ITパスポートの上位資格:基本情報技術者試験は就職活動・転職で有利?
基本情報技術者試験はITパスポートよりも就職活動・転職で有利に働くケースが多いです。
ITパスポートに合格した人の中には次のステップとして基本情報技術者試験を受験する人もいます。
※「ITパスポートの次の資格・ステップは?次に取る資格は基本情報技術者がおすすめ」もぜひ合わせてご覧ください。
ITパスポートはIT企業に勤務する専門的なエンジニアだけでなく、広く社会人全般・学生全般に向けた国家試験です。
「ITパスポートの高校生合格率は?メリットは?独学可能?勉強方法もご紹介」をご覧いただくとわかりますが、ITパスポートは高校生の間でも多く受験されている試験です。
一方、基本情報技術者試験はこれからITエンジニアとしてキャリアをスタートする社会人のIT基礎力を問う試験であり、ITエンジニアの登竜門となる国家試験であるといえます。
基本情報技術者試験はITパスポートの上位資格なので、基本情報技術者試験はITパスポートよりも難易度は上がります。
合格に必要な勉強時間もITパスポートが100〜150時間程度と言われているのに対して、基本情報技術者試験は200時間程度と言われています。
※基本情報技術者試験の詳細を知りたい人は「ITパスポートと基本情報技術者試験の違い!ITパスポートとってからの方がいい?重複分野や難易度・範囲は?」をご覧ください。
基本情報技術者試験は合格の難易度がそこそこ高いかつITエンジニア向けの試験なので、ITエンジニアを目指している大学生(就活生)や転職活動中の社会人が基本情報技術者試験を保有していれば、就職活動や転職で少しは有利に働くケースは多いでしょう。
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ITパスポートとMOS 就活・転職に強いのはどっち?
MOSはMicrosoft Office Specialist の略で、マイクロソフトのOffice製品(主にWord、Excel、PowerPoint)のスキルレベルを問う資格です。
ITパスポートと違って国家資格ではなく、マイクロソフト社が提供する民間資格です。
MOSを取得しているとWord、Excel、PowerPointの利用スキル(≒PCスキル)を証明することができるので、MOSは就活・転職問わず事務職志望の人に人気の資格です。
MOSの合格に必要な勉強時間は50時間程度と言われており、ITパスポートの合格に必要な勉強時間100〜150時間程度の約半分です。
なので、MOSもITパスポートと同様に保有しているからといって就職活動・転職で有利に働くケースは少ないです。
「ITパスポートとMOS、就活に強いのはどっち?」と聞かれれば「どちらも強くない」というのが回答になります。
ITパスポートは就職活動・転職の履歴書に書ける?
ITパスポートはそこまで難易度が高くない資格ではありますが、立派な国家資格の1つなので合格すれば履歴書に書くことができます。
就職活動・転職で特に有利に働かないからといって書かないのはもったいないので、ITパスポートに合格した人は必ず履歴書に書くようにしましょう。
ITパスポートを履歴書に書くときのポイントは以下の2つです。
- 履歴書には正式名称を書く
- 運転免許→その他の資格の順番で書く
それぞれについて詳しく解説していきます。
1つ目についてですが、ITパスポートの正式名称は「ITパスポート試験」です。
※「ITパスポートの正式名称はITパスポート試験!履歴書には正式名称を書くべき?」もぜひ参考にしてください。
履歴書に資格名を書くときは正式名称で書くのが一般的なので、必ず「ITパスポート試験」と書くようにしましょう。
2つ目ですが、運転免許は多くの人が取得している資格なので一番上に書くのが一般的です。
運転免許以外の資格は、資格を取得した時系列順で履歴書に書きましょう。
以上をもとに履歴書の免許・資格欄を正しく書いた例は以下です。

ITパスポートを履歴書に書く方法については「ITパスポートは履歴書に書ける!書かないのはもったいない!書き方を画像で解説」で詳しく解説しているので、気になる人はぜひご覧ください。
就職活動・転職で勉強すべき資格は?
では、就職活動・転職で勉強すべき資格は何なのでしょうか?
資格ではありませんが、筆者のおすすめはSPIです。
ITパスポートに限らずですが、就職活動・転職において「この資格を持っていると有利!」という資格は特にありません。
なので、大学生(就活生)や転職活動中の社会人は資格の勉強をする時間があるのであれば、SPIの勉強をすることをおすすめします。
SPIとは受験者の学力や性格・思考の特徴を定量的に測定する試験です。株式会社リクルートが開発しており、導入社数は15,000社を超えています。
受験者数は年間で200万人を超えているので、就職活動や転職活動をしていれば1回は受験する可能性が高いでしょう。
SPIでは中学・高校の基礎的な学習内容をもとにした問題が出題されます。多くの受験者は言語(国語)と非言語(数学)と性格検査を受験します。
言語(国語)と非言語(数学)の例題は以下です。
※SPIの勉強・対策には「SPIのすべてがわかるサイト」が便利なので、ぜひご活用ください。
【言語の例題】
以下の言葉と意味が最も合致するものを1つ選びなさい。
暮らしていくための経済的な手段
- 経世
- 経常
- 会計
- 家計
- 生計
【解答&解説】
正解は5・・・(答)です。「畜産で生計を立てる」といった使い方をします。
選択肢1〜4の意味は以下です。
- 経世=世を治めること
- 経常=一定の状態で続くこと
- 会計=代金の支払い。経済活動状況を記録・計算・整理して情報化すること
- 家計=一家の収入や支出
【非言語の例題】
大人4人、子供2人で記念写真を撮る。6人が横一列になって、子供2人が真ん中に入る並び方は何通りあるか。
【解答&解説】
並び方としては「大人 大人 子供 子供 大人 大人」です。
子供2人は真ん中に固定されているので、残っている大人4人の並び方は4!=4×3×2×1=24[通り]です。
固定されている子供2人の並び方は2通りです。
よって、正解は24×2=48[通り]・・・(答)となります。
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今回はITパスポートは就職活動・転職で有利なのかについて解説しました。
ITパスポートは就職活動・転職であまり有利には働きませんが、ITやビジネスの基礎知識を身に付けたい人にとってはぴったりの試験です。
1〜2ヶ月で合格が狙える試験なので、興味がある人はぜひ受験してみてください。